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躁鬱気質?の私、SO-WOZZ少年の、日々思うことなど。
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睡眠と覚醒の狭間に、私はいた。

からだがしびれる。うまく動けない。頭も思うようにはたらかない。

何が何だか分からない。

それでもじわりじわりと、体と頭は勝手に覚醒へと歩んでいった。

辺りは真っ暗で、まだ夜中のようである。非常に蒸し暑い。

いつも当然の如くそうするように、自身の布団の上で眠っていたのは確かなようだ。

体を捻り、枕もとの時計へと目を移そうとすると、右目に軽い痛みが走った。

痛みを自覚したと言う方が正しいのかもしれなかった。

こんな夜中に目が覚めてしまったのは、どうやらこの痛みのせいらしい。

「ゴミでも入ったか」 そう思って、目を擦った。

しかしながら、その痛みは改善されなかった。

何故眠っている間に目にゴミが入るのかということも、とんと理解出来なかった。

目を移した時計の針が歪んでいる。三時半だった。

再び擦った。痛い。何度擦っても同じだった。

何だか焦ってきた。明日、いや、厳密に言えば今日、何か大切な予定があったはずだ。

早く寝なければ差支えが出る。どうにかしなければ。

しかし不思議な事に、その大切な予定が、一体どのような物だったのか、

その詳細を全く思い出せないのだった。

いつもの私らしからぬほど、不安になった。目はまだ痛む。

遠くで鳴っていたサイレンが、こちらに近づいてくるのが聞こえた。

近づいてくるに連れて、近所の犬々が共鳴するように吠え出した。

それが益々不安を煽るのだった。

行ってしまうと、それきり吠えなくなった。

不安が少し影を潜めた代わりに、何だか虚しく、悲しくなった。

まだ目が痛い。いい加減うんざりしてきた。

親の敵のように強く擦った。それでも痛みは続いた。

むしろ痛みが増しているようだった。今度は何だか腹が立った。

パシャッ

急に、水の撥ねるような音がした。魚でも跳ねたのか。

ピシッ

急に、布団の横の机が音を立てた。ラップ現象という言葉が頭を駆けた。

いよいよ恐ろしくなった。

目の痛みを早急にどうにかして、寝てしまわなけばいけない、と強く思った。

意を決して、起き上がった。

そうして、机の横の椅子の上に前日乗せておいた鞄に手を捩じ込み、まさぐった。

小さい、プラスチックの物体が手に当たった。これだ。

勢い良く布団に仰向けに寝転がり、蓋を開け、点した。

点した瞬間、心地良い爽快感が右目を包んだ。

同時に、あれほど酷かった痛みも、スッと引いてしまった。

ようやっと安心出来た。わたしはそのままの体制から枕元へ目薬を放り投げて、

足元に丸まったタオルケットもそのままに、眠りへと洒落こんだ。

大きなあくびをした。口を大きく開けすぎて、閉める時に顎に違和感を感じた。

どこかからか、ボーンという時計の音が聞こえたような、気がした。



あとがき・・・?

久し振りに小説(まぁ100歩譲って昔のアレも小説としよう)を書いたもんで、

感覚を取り戻すのが難しかった。でも結果的にまぁ満足出来たかと。

実際に自分の身に起きた事を題材にしてます。若干脚色はありますが。

感想くれたら嬉しいなぁ。

最後に、「目薬」は救いじゃないです。

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小説
こんばんわー^-^
基本的に短編小説は嫌いです。というか、小説を書いている立場としては、短編は難しいんで^^;

描写はとてもよかったかと思います!!
読み終わった後、「何これ? 何が書きたいのやら・・・」とか思ってましたが(おぃ
読み返すことになんか、言葉では表現できない感情が。
今度は短編ではなく、連載モノを期待しています。
鬱症状の男の生活を書いた小説とか、sowwzさんが書いたらどうなるだろう。とか勝手に思っちゃたりしてます(笑)

サウスポー 2007/09/28(Fri)20:37:55 編集
無題
これはですね、夏目漱石氏の短編に影響を受けた感丸出しの短編ですね(笑)
文もよく見ると昔の文語チックになっちゃってます。
自分的には短編のが書きやすいですね。
長編は書き始めと終わりまでの期間が長いから、どうしても言いたかったことが結局ねじ曲がっちゃったり、
自分の思考の成長とかで、そもそもそのテーマで書くことが馬鹿らしくなっちゃったりするんですね。

色々な小説を読んでみると、純文学は特にそうなんですが、
「結局こいつ何が言いたいんだ」って文が多いと思います。
で、何度も読んで、「あれ?こうなんじゃね?」てフッと浮かぶんですよ。
それって、僕は絶対書き手の物とは同じになり得ないと思うんですけど、
その自己完結でしかあり得ない浮遊物が、読み手にとっても書き手にとってもすごい重要なんじゃないかな、と。

この小説も、なるたけ無駄な文を省いて、僕の言いたいことをポツポツ何個か言ってます。

連載物、う~ん、どうでしょう(長嶋風(笑))
しばらくは短編中心に行きたいですね。
連載物はもしかしたらどっかの出版社とかにボツ覚悟で送るかも・・・。
SO-WOZZ少年@管理人 2007/09/28(Fri)23:15:33 編集
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